近年、熱中症対策や健康、美容のために、こまめに「水」を摂取することが推奨されています。
スーパーやコンビニエンスストアにはたくさんの種類のペットボトルの水が並んでいますね。
一口に「水」と言っても、それぞれ風味や効能に違いがあります。
そこで今回は、飲料水の種類や好みに合わせた選び方について解説します。
水の種類
私たちが飲み水として口にしている水は、原水や処理方法の違いによって、大きく3つの種類に分けられます。それぞれの違いについて見ていきましょう。
ナチュラルウォーター
ナチュラルウォーターとは、地層から汲み上げ、沈殿・ろ過・加熱殺菌のみの処理をした水のことです。
ミネラル分の調整などの物理的・化学的処理を行っていない最も自然に近い状態の水といえ、「天然水」と呼ばれるものです。
ナチュラルウォーターの中でも、もともと地層中のミネラル分を豊富に含んだ水については、ナチュラルミネラルウォーターといわれることもあります。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは、ナチュラルミネラルウォーターを原水として、ミネラル調整や空気を供給する「ばっ気」などの人工的な処理をした水です。
複数のナチュラルミネラルウォーターをブレンドしたものもミネラルウォーターと表記されます。
通常のろ過、沈殿処理に加えて、紫外線殺菌やオゾン殺菌などが行なわれている場合もあります。
ボトルドウォーター
ボトルドウォーターとは、ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーター・ミネラルウォーター以外の飲用水の総称です。
原水や処理法に細かい規定がないので、水道水や蒸留水、逆浸透膜ろ過されたRO水、アルカリイオン水、海洋深層水など、水道法で飲料水として認められたすべての水が含まれます。
ボトルドウォーターは最低限の処理だけ施した低価格な水から、ミネラルや硬度を調整して味わいや効能を高めたものまで幅広い種類があります。
水の選び方 3つのポイント
さらに好みに合った飲料水を選ぶには、3つのポイントをチェックしてみてください。
硬度
水は、硬度によって軟水と硬水の2つに分けられます。硬度は1Lに含まれるカルシウムとマグネシウムなどの量で決まります。
硬度によって味や口当たりが異なるので、飲みやすさや好みのひとつの基準となるでしょう。
軟水
WHOの基準ではカルシウム・マグネシウムの含有量が60㎎/L以下の水を軟水としています。
軟水はまろやかでやわらかい口当たりが特徴です。日本の水道水や国内で販売されている飲料水はほとんどが軟水なので、なじみ深く飲みやすく感じる方が多いでしょう。苦みがなくスッキリとした喉越しで、日常的な水分補給にも最適。炊飯や煮物など、料理をする時に使っても素材の味をあまり邪魔しません。
また、赤ちゃんのミルク作りやペットの飲料水にもおすすめです。軟水の中でも、50mg/L以下のものは胃腸への負担が少なくさらに安心です。
硬水
WHOの基準で、カルシウム・マグネシウムの含有量が60~120mg/Lの水を「中硬水」、120~180mg/Lの水を「硬水」、180mg/L以上の水を「超硬水」と区分しています。
硬度が高いほどミネラルが豊富に含まれ、栄養効果や美容効能が高くなります。ただし、硬水は飲み口が重く独特の苦味や重さを感じやすいのも特徴です。
飲みやすさを保ちながらミネラル成分も効率的に摂取したい場合は、硬度が100〜150mg/Lのものがおすすめです。
また、硬水を飲みやすく摂取するためには、炭酸入りのものを選ぶのもよいでしょう。
炭酸の刺激によって、重さや苦味が軽減されます。さらに、炭酸のガスが胃の中で膨らむことで空腹を感じにくくなったり、炭酸が胃壁を刺激し腸の活性化へとつながることで、便通改善やダイエット効果も期待できます。
成分
水に含まれる成分は、主に下記のようなものが挙げられます。成分によっても風味や効能が異なってくるので、好みに合わせて選んでみてください。
カルシウム
歯や骨の形成、筋肉の収縮を促します。神経を安定させる作用もあります。
多少の苦みや酸味を感じる人が多いようです。
マグネシウム
酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。
マイルドな苦みがあります。
カリウム
細胞の浸透圧を維持し、神経の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節も行います。
また、摂りすぎた塩分を排出させるため、血圧を下げる効果も。味は特にありません。
亜鉛
人体にとっての必須ミネラルのひとつですが、体内で作り出すことのできないため、積極的な摂取が推奨されています。
新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、体内のさまざまな働きをサポートし、正常に保つ役目を持っています。
鉄分
健康維持や運動能力、学習能力の向上を助けます。肌や髪に必要なコラーゲンの生成も担っており、美容効能も高い成分です。
多少の金属臭があります。
シリカ
肌の弾力を高め、ハリやツヤをアップさせます。また、コシのある髪や骨の生成も促すなど、さまざまな美容、健康効果が得られます。
独特の苦みや雑味を感じることも。
バナジウム
デトックス効果が高く、肌の酸化防止や便秘の改善に役立ちます。血糖値や血圧を下げ、動脈硬化の予防にもなるといわれています。
日本で市販されているバナジウム天然水は、特に飲みづらく感じることはないようです。
pH値
水のpH値によっても飲み口が変わります。pH値とは、液体が酸性かアルカリ性かを示す尺度です。1~14までに分かれており、中間値の7を中性としてそれよりも低くなると酸性、高くなるとアルカリ性を表します。
ほとんどの飲料水は、一般的な好みに合わせて、pH値7~8前後、若干アルカリ性寄りに調整されています。この弱アルカリ性の水は、胃腸へ負担も少なく安心して飲むことができますが、苦味を感じる方は、弱酸性~中性の水がおすすめです。
飲料水の種類や成分、味の特徴についてご紹介しました。
毎日飲むものだからこそ、種類や選び方を知って、お気に入りの飲料水を見つけてみてくださいね。