毎日暑い日が続きますね。今年の夏は、観測史上最も気温の高い夏になるのではともいわれています。
暑い時期には特に、水分補給が欠かせません。
蛇口をひねれば出てくる水道水を飲むことは、手軽な水分補給法ですが、水道水は、果たして飲料として安全なのでしょうか。
今回は、日本の水道水の、飲料としての安全性についてお伝えします。
水道水は飲んでもよい?
結論から言うと、日本の水道水は安全で、問題なく飲むことができます。
日本では、1957年に施行された「水道法」によって、水道水の水質基準が定められています。
基準に則って、各水道局で徹底した塩素消毒を行い殺菌されているので、安全が保たれているのです。
とはいえ、水道水が手元に届くまでの環境などによっては、必ずしも安心とは言い切れない実情も…。
主な懸念材料としては、以下の3点が挙げられます。
水道水を飲まないほうがよい場合とは
鉛製給水管の場合
日本の給水管は、1980年代後半まで鉛製の給水管が使用されていました。法定耐用年数40年を超過し、今なお残っているものもあります。
厚生労働省からも発表されている通り、鉛は、人体に悪影響を及ぼします。鉛製の給水管からは鉛の成分が水に溶け出る恐れがあり、飲み水として安全とは言い切れません。
家庭内の配管の整備については、国や自治体の管轄ではなく、各家屋に任されています。
心配がある場合は、一度自宅の給水管を調べてみましょう。
貯水タンクの清掃が行き届いていない場合
10tを超える貯水タンクは、水道法によって、1年以内ごとに1回、水槽の清掃や厚生労働大臣指定の検査機関による定期検査などが義務づけられています。
一方、全体の8割を占める10t以下の小規模貯水タンクは、基本的には所有者任せ。点検清掃率は3%程度と言われており、残りの97%は点検や検査、清掃がなされていない状態です。
そのような貯水タンクからの水道水には注意が必要です。
残留塩素が気になる場合
先にも述べたように、日本の水道水は、必ず塩素によって殺菌消毒をしています。
水道水を安全にするための塩素ですが、残留塩素や消毒によって生成されるトリハロメタンといった、人体に有害な物質が微量ながら含まれてしまうのも事実です。
水道水中の塩素濃度やトリハロメタンの値についても基準が設けられているので、健康に悪影響を及ぼす程のものではありませんが、残留塩素独特のカルキ臭によって、味やにおいとしても気になるかもしれません。
このような場合は、水道水をそのまま飲むのは控え、より安全な水に整えてから口にするとよいでしょう。
水道水を安全においしく飲むためには
沸騰・煮沸する
水道水を沸騰させ、10分~15分煮沸し続けることで、微生物や雑菌はもとより、残留塩素やトリハロメタンを撃退することができます。
トリハロメタンは、加熱時間が短いとかえって増加してしまうことがわかっています。必ず、沸騰した状態で最低でも10分は煮沸し続けてください。
また、煮沸後の水道水は、塩素による消毒効果がなくなるため、時間が経てば細菌が繁殖するリスクが高まります。作り置きや冷蔵庫での長期保管は避け、その都度飲み切るようにしましょう。
浄水器を設置する
水道の蛇口に浄水器を設置するのも、残留物質の除去に有効です。
有害物質をろ過してくれるので、浄水処理された安心でおいしい水道水に整えることができます。
浄水型ウォーターサーバーを利用する
近年利用者が増えているのが、浄水型のウォーターサーバーです。水道水を注ぎ入れるだけで、残留物質をろ過してくれる優れものです。
天然水を使ったウォーターサーバーに比べると、宅配ボトルの購入や受取り、保管などの手間もなく、水道水を使用するので使用量も気になりません。
日本の水道水の安全性と、より安全においしく飲む方法についてご紹介しました。
水道水を上手に利用して、暑い夏の水分補給に役立てましょう。